成人患者の場合は、病状説明や治療方針を聞いてある程度は理解できますし、違和感や痛みなどがあれば自分の言葉で詳しく伝えることもできるでしょう。しかし、乳幼児の場合は、まだ言葉が話せなかったり、語彙が少なかったりして、言葉でコミュニケーションをとることが難しいケースも珍しくありません。
何か異常があったり、不快に感じたりしても、言葉で説明することが難しいのです。そのため、点滴を嫌がって泣き喚く、自分で勝手に点滴を抜いてしまうなど、予想外のハプニングが小児看護ではしばしば起こります。そこで、看護師はどんな状況でも慌てずに、冷静に対処することが大切です。また、子どもの発達段階ごとの特徴を把握しておくことも重要だといえます。
家族と離れて病室で過ごす子ども達は、孤独や不安を抱きがちです。家族に甘えられない寂しさから暴れたり、叫んだり、反対にふさぎ込んでしまう子もいます。子ども達の孤独感を取り除くためにも、一緒に遊ぶなどして積極的にコミュニケーションをとるようにしましょう。なかなか打ち解けてくれない子どもも多いので、徐々に信頼関係を築いていくことがポイントです。
また、自宅で愛用していたものなどがあれば、病室に持ってきてもらうのも有効でしょう。子どもが安心できるような環境を整えるためにも、家族からの情報収集は欠かせません。また、泣いた時の対処法や習慣化していることなど、家族にしかわからない情報を聞いておくことも大切です。